浦島太郎は疑問点の宝庫
有名な日本昔話に、「浦島太郎」がある。
あらすじ
浦島太郎という漁師が年老いたおっかさんと二人で暮らしていた。ある日、浜辺で子ども達が一匹の子ガメをつつきまわしているのを見たので、助けて海へ逃がしてやった。数年後太郎が海で釣りをしていると、大きな亀がやって来て、昔助けてくれたお礼にと海の中の竜宮へと連れて行かれた。竜宮では美しい乙姫さまに歓迎され、魚たちの踊りや、素敵なご馳走でもてなされ、楽しい毎日を過ごした。
しかし何日か経つと太郎は村に残してきたおっかさんのことが気になって、だんだん元気がなくなってきた。それを察した乙姫さまは「村に帰って、もし困ったことがあったら、この玉手箱を開けなさい。」と言って、太郎を送り出した。
太郎が亀の背に乗って村に帰ると、自分の家はおろか村の様子がすっかり変わっていて、太郎の知っている人が一人もいなくなっていた。太郎が竜宮で過ごしているうちに、地上では何十年も経っていたのだった。困った太郎は、乙姫さまに貰った玉手箱のことを思い出した。
蓋を開けると、中から白い煙がもくもくと出て、たちまち太郎は白いひげのお爺さんになってしまった。
色々と疑問が湧く物語だ。わたしは主に3つのことが気になった。
- おっかさんのこと
- なぜお爺さんになったのか
- この話から得る教訓とは
まずは1から。
この話をおっかさんサイドから見てみると、とても悲しい気持ちになる。息子がある日を境に居なくなってしまった。浦島太郎が地上に戻ってきた時には何十年も経っていたということは、年老いたおっかさんはすでに亡くなっていただろう。手塩にかけて育てた息子が居なくなったときの胸中はいかほどだっただろう。浦島太郎が帰ってくるのを待ちながら、一人で寂しく死んでいったかもしれない…一方その頃、浦島太郎は宴を楽しんでいたかもしれない。
どうしようもない鬱妄想が出来上がってしまった。
次は2だ。
亀を助けるという善行をしたのに、なんで最終的にお爺さんになるという罰ゲームをくらったのか。
これは他の人達がどう考えてるかすごく気になったので、ネットで『浦島太郎 ラスト』等で検索し、みんなの考察を覗いた。その中で圧倒的な割合を占めていたのは、「乙姫が嫉妬し、嫌がらせで玉手箱を渡した」という意見。
乙姫の性格が圧倒的に悪すぎる。だって乙姫は、「村に帰って、もし困ったことがあったら、この玉手箱を開けなさい。」って言ったんだよ?困った相手に対して嫌がらせでお爺さんにするって悪の所業。
そもそも、『乙姫の嫉妬』とはなんだろう?と思う人がいるかもしれないが、「どうして美しい私と楽しい竜宮で楽しい楽しい宴をしてるのに帰りたがるの?ぷんぷん」ということらしい。つまり、乙姫はメンヘラ 。
以上がネットで多く見かけた意見だ。でも、私の見解は違う。
結論から言うと、やっぱり乙姫は浦島太郎になにかあった時、救いの道を授けたかったんだと思う。
お爺さんになるって、一見マイナスイメージだけど、自分のことを知ってる人がいない、もしくはすでに亡くなっている数十年後の世界に行っても虚しいだけだから。お爺さんになれば、先は短くなる、寂しい思いも少しの間。 一種の救いの道だったんではないかな〜〜と思う。
物語によっては、最後は鶴になるバージョンもあるらしい。やっぱり、浦島太郎を絶望から救う為の玉手箱なんじゃないかなと思う。
でも乙姫の説明不足、減点。
最後に3。
この物語から何の教訓を得るだろう?
「うつつを抜かしてると大変な目にあうぞ」ってことかな、やっぱ。
教訓は得ないかもしれないけど、想像力は働かせられる良い物語なんじゃないかなーと思う!
浦島太郎を研究してる人いっぱいいそうだし、今度図書館行った時に調べてみることにしよう。