エアコンから異音がする
築25年のアパート。お世辞にも綺麗とは言えない、そんなところに私は住んでいる。
夏は、家に置いてあるスプレーが爆発するのではないかという程、熱くなる。
冬は、これまた寒い。外と家の中の境界線をさほど感じない。
家に帰ると、エアコンをつける。
「ゴーー……ゴー……」
ふむ、いつも通り頼むよ。
「ゴー…ゴー……グギ…グギギギギ……」
ちょ、ま。
「ゴ…グギ……ググ…」
な…こと切れる寸前か?
お前、そんなもんじゃないだろ。この限りなく外界に近しいこの部屋を、お前が、部屋を部屋たらしめていたんだろう?
お前がいなくなったら、私はこれからどうすれば良いか分からない。お前は私にとって、いなくてはならない存在なんだ。
お前まだいけるよ!まだ頑張れるよ!!!頼むよ……まだ……これからもずっと一緒に暮らしていこうよ。
「ゴゴ…ググ…!グギギ……!!」
「うるせ。」
そう言って私は電源を切った。
羽毛布団にくるまり、ベッドで丸くなる。
春よ来い☆